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2025年8月3日、広島電鉄はJR広島駅ビル2階に直結する新線「駅前大橋ルート」を開業しました。駅と都心部のアクセスが向上し、移動時間の短縮も見込まれています(広島電鉄発表)。地下鉄ではなく、路面電車を都市の交通網の主軸に据える広島の取り組みは全国的にも注目されており、今回の新ルート開業はその象徴となっています。

この大規模プロジェクトでは、広島電鉄がATENのCN9600KA8280RCMMSRCMDVI101を導入し、運行管理および監視カメラの遠隔制御システムの中核を担っています。本インタビューでは、その導入背景、効果、そして今後の展望についてご担当者様に伺いました。

広島電鉄株式会社 電車事業本部 駅前プロジェクト推進部課長 太田 健様

【広島電鉄株式会社 電車事業本部 駅前プロジェクト推進部 課長 上田 賢治様】

ATEN製品を導入した背景と課題

Q. ATEN製品を導入した背景、目的について教えてください。

上田様:
2025年8月3日にJR広島駅ビルの2階へ乗り入れて、広島電鉄の新路線(駅前大橋ルート)が開通しました。従来は信号員を配置して運行管理や信号制御を担っていましたが、新路線開業にあたって、すべて自動化することになりました。この自動制御では、2階の高架に上がって入駅する手前でポイントを自動転換し、進路を確定して信号を出します。その信号を確認して電車が出発します。

自動制御に伴い、監視カメラを各所に設置し、運転司令室で運行管理や現場の監視を行うことになりました。監視カメラ映像の確認やデータ取得などを遠隔で行う設備が必要となり、取引先に相談した結果、ATEN製品が候補に上がり、採用に至りました。

ATEN製品採用の決め手

Q. ATEN製品を採用した決め手は、何だったのでしょうか。

上田様:
もともと広島電鉄では一部の駅でATEN製品を利用していた背景があります。以前から横川駅に監視カメラが設置されていて、ATEN製品RCMMSで管轄している江波から遠隔操作していました。

従来は広島駅の一部にカメラを設置して現地にて監視していましたが、新路線の広島駅は完全に無人化するため、監視する場所がかなり多数にのぼります。電車が駅に近づく位置などをすべてカメラで監視しているので、リアルタイムでカメラを切り替えて大量の映像を処理するには、今回導入した製品が最適でした。

【運転指令室での複数のモニター画面】(ぼかし加工をしています)
【運転指令室での複数のモニター画面】(ぼかし加工をしています)

導入時の検討事項

Q. 今回の新路線開通は路面電車が高架でビルの2階に乗り入れるという、今までなかった試みとして、メディアでも取り上げられました。加えて自動制御に取り組まれて無人化するというのは大きなプロジェクトだったと思いますが、いかがでしたでしょうか。

上田様:
都市部に構造物を作る点では苦労しましたが、土台ができた後の監視カメラの設置などは、大きな問題もなく順調に進みました。

Q. 導入時に苦労をされたことや工夫されたことがあれば、教えてください。

上田様:
新路線開業に向けて今年4〜5月頃に監視カメラを設置し、6月から本格的な試運転を実施。カメラ映像を確認しながら検討を進めました。たとえば、数多くの監視映像を運転指令室のモニターにどのように並べると見やすいのかを考えました。監視を担当するスタッフの意見を聞きながら、映像の配置を入れ替えたり、画面サイズを調整してメリハリをつける場所や、緊急時のみ表示する場所などを検討し、試行錯誤のうえ最終決定しました。

運転指令でのモニター画面の構成

Q. 監視カメラの映像を映し出す運転指令室のモニターは、どのような画面で構成されていますか。

上田様:
固定の監視カメラ映像を通常、4画面構成でモニターに出しています。固定カメラのほか、1カ所のみホーム全体を見渡せる回転式カメラの映像を1画面で表示しています。ほかに、路線の分岐箇所でもカメラがあります。これは電車が左に行くか右に行くかという分岐地点のカメラで、通常は監視する必要がないので表示しませんが、障害等で分岐器がうまく動かなくなったときに、切り替えて表示できるようになっています。

  【運転指令室での4画面構成でのモニター画面(左下を除く)】(ぼかし加工をしています)
【運転指令室での4画面構成でのモニター画面(左下を除く)】(ぼかし加工をしています)

Q. 運転指令室のほかに広島駅の「電気室」でもRCMMSを採用いただいていますが、こちらでは、どのように使われているのですか。

上田様:
広島駅に何かがあって運転指令室との通信が途絶えたときには現場に急行して、電気室(機械室)の設備でも手動で進路制御ができます。電気室は駅の1階部分にあり、監視カメラを見ながら進路制御する必要があるので、広島駅に設置してあるカメラはすべて見ることができます。

導入されたATEN製品に対する評価と要望

Q. ATEN製品の使い勝手や安定性に関して、運転指令を担当されているスタッフの皆様からは、どのような評価をいただいていますか。

上田様:
リアルタイムで複数のカメラ映像を表示し、直感的に切り替えられる操作性が好評です。途切れもなく、鮮明な映像が安定して送られてくる点が高く評価されています。

Q. ATEN製品に対して改善点やご要望があればお願いします。

上田様:
カメラにそれぞれ名称が付いていて、モニター画面に「広島駅Aホーム」「Bホーム」といった表示が出ますが、その文字が見にくいという声がありました。現在は白字で表示されていますが、たとえば黒字に変更し、文字サイズをもう少し大きくしていただけると、より見やすくなると思います。

導入効果

Q. 将来的にRCMMSで管理できる端末をさらに広げる予定はありますか。

上田様:
遠隔で制御できるカメラを付けたメリットとして、従来は障害発生時、列車無線や現地からの連絡がなければ状況を把握できませんでしたが、現在は映像によりリアルタイムで状況確認が可能になりました。運転指令のスタッフの間では管理がしやすいと好評で、「ここにもカメラがあると便利なのでは」という場所の要望も上がってきているので、今後、既存の路線でも増設する可能性があります。

Q. 業務の省力化・効率化を図る狙いもあるのでしょうか。

上田様:
今回も、駅に人員を配置していたのを1つの場所でまとめて監視する形にすることで、省力化の狙いも兼ねています。今後もサービスの質を維持しつつ省力化を進めるため、各所のカメラ映像を1カ所で一元管理できるシステムが必要になると考えています。

今後は既存路線での導入も視野に

Q. 将来的にRCMMSで管理できる端末をさらに広げる予定はありますか。

上田様:
遠隔で制御できるカメラを付けたメリットとして、従来は障害発生時、列車無線や現地からの連絡がなければ状況を把握できませんでしたが、現在は映像によりリアルタイムで状況確認が可能になりました。運転指令のスタッフの間では管理がしやすいと好評で、「ここにもカメラがあると便利なのでは」という場所の要望も上がってきているので、今後、既存の路線でも増設する可能性があります。

Q. 業務の省力化・効率化を図る狙いもあるのでしょうか。

上田様:
今回も、駅に人員を配置していたのを1つの場所でまとめて監視する形にすることで、省力化の狙いも兼ねています。今後もサービスの質を維持しつつ省力化を進めるため、各所のカメラ映像を1カ所で一元管理できるシステムが必要になると考えています。

参考情報:広島電鉄公式発表(駅前大橋ルート開業に関する資料)

広島電鉄株式会社 電車事業本部 駅前プロジェクト推進部 課長 上田 賢治様【広島電鉄 本社前にて】
【広島駅ビルの2階に乗り入れた広島電鉄の車両】

写真左:広島電鉄株式会社 電車事業本部 駅前プロジェクト推進部 課長 上田 賢治様【広島電鉄 本社前にて】
写真右:【広島駅ビルの2階に乗り入れた広島電鉄の車両】

写真上:広島電鉄株式会社 電車事業本部 駅前プロジェクト推進部 課長 上田 賢治様【広島電鉄 本社前にて】
写真下:【広島駅ビルの2階に乗り入れた広島電鉄の車両】

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