お問い合わせ | 製品の購入方法 | オンラインストア | パートナーポータル |

ホーチキ株式会社は、火災報知設備や消火設備などを提供する総合防災メーカーです。このたび東京消防庁により防災センターに関する技術上の基準が改正されたことを受け、「防災センターの遠隔監視」が可能となりました。

建物の防災設備を監視する「防災センター」は、これまで建物ごとに設置し、常時人員を配置することが法律上求められてきました。しかし近年、深刻な人手不足や運用コストの増大を背景に、複数の建物を一拠点から監視する遠隔監視の仕組みへの関心が高まっています。これに伴い、同社がATENのIP-KVMを利用して構築し、提供を開始した新しいサービスについての事例をご紹介致します。

今回、ホーチキ株式会社では、こうした課題に対応するため、ATENのIP-KVM(CN9950)・コンソールステーション(KA8288)を活用した遠隔監視システムを構築しました。本事例では、導入背景やATEN製品の選定理由、導入効果、そして今後の展望について、ご担当者様にお話を伺いました。

防災設備の監視の仕組み

基準改正で可能になる防災センター遠隔監視― IP-KVMで複数建物の監視を一元化し、―駅前大橋ルートの開業で進む省人化と運用効率化を実現

贄田様:
建物の防災設備では、火災感知器が反応すると、その信号は火災受信盤を経由して防災表示盤へ送られます。防災センターでは、この防災表示盤の情報を監視することで、どの場所で火災が発生しているかを把握します。そのため、防災センターでは常時この監視画面を確認し、必要に応じて対応を行う体制が求められてきました。
遠隔監視用モニター全体
遠隔監視用モニター画面拡大

【遠隔監視場所(遠隔監視用モニタ側)】

IP-KVMを導入した背景

濱武様:
従来、建物の規模や用途に応じて、一定数の防災要員を防災センターに常時配置する必要がありました。しかし、現場では次のような課題がありました。

建物ごとに防災センター要員を配置する必要があるため人件費の負担が大きく、さらに防災要員の担い手不足も深刻化しています。2024年頃から、防災センターの遠隔監視を可能にする制度整備が進んでいるという情報を受け、複数の建物を1か所で監視できれば、省人化と運用効率の向上につながるのではないかと考えるようになりました。
モニター全体	防災センター監視用モニター全体の画面
IP-KVM+接点LANアップ 防災センター監視用IP-KVM機器と接点LAN変換機のアップ

【監視対象物(防災センター側)IP-KVM 】

導入時の課題と対策

贄田様:
防災設備メーカーとして工事も行っているため、システムの安定運用や保守体制については事前に慎重に検討しました。IP-KVMはIT機器ではありますが、構成が非常にシンプルで扱いやすく、社内でも「これなら問題なく運用できるのではないか」という評価が多くあり、導入にあたって反対意見はありませんでした。

また、IT系の技術について不明点が出る可能性も想定していましたが、ATENから直接サポートを受けることができ、技術的な疑問点もスムーズに解決できました。メーカーから直接サポートを得られる点は、実際に導入を進める中で非常に安心感があり、良い意味で驚きでした。さらに、システム構成についても運用を止めることなく対応できる柔軟な設計が可能であり、防災用途でも安心して導入できると判断しました。

ATEN製品の選定理由

濱武様:
弊社では基準改正の動きを受け、遠隔監視の技術開発を検討していました。しかし、独自システムとして開発する場合、通信欠損などのリスク対応や開発コストの問題があり、開発には多大な労力と資金、さらに2~3年に及ぶ開発期間が必要になると考えられていました。
一方で、弊社工場の開発セキュリティ部門で以前からATEN製品を利用していたこともあり、既存システムとの互換性があることが分かっていました。 IP-KVMの仕組みを応用すれば、
  • 建物ごとに監視室を設置する必要がない
  • 複数の建物を1拠点から監視できる
といった遠隔監視の仕組みを構築できると考え、採用に至りました。

【システム構成】

遠隔監視場所と防災センターのシステム構成図(IP-KVM、接点LAN変換器、VPNルータなど)

IP-KVM方式の安全性

濱武様:
遠隔監視の方式には、警報情報などのデータ(伝文)をネットワーク経由で送信する方法もあります。しかしこの方式では、万が一ネットワークが途切れた場合、通信が復旧しても監視画面が正しく更新されない可能性があります。一方、IP-KVMはマウス・キーボード・モニターを延長する仕組みであり、監視画面の映像そのものを転送します。そのため操作性を変えることなく、現地の監視操作と同じ環境で遠隔操作が可能となります。さらに、映像のみを転送する仕組みのため、防災設備そのものの動作に影響を与えることがなく、外部からシステムに入り込む余地はないことから安全性の面でも安心して運用できる点が大きなメリットです。

消防行政へのデモンストレーション

贄田様:
本システムは、基準改正に関連して総務省消防庁および東京消防庁に対して製品デモを実施しました。その結果、東京消防庁からは実施に対する考え方は問題ないとの判断をいただいています。こうした確認を経て、防災用途においても安心して利用できる遠隔監視システムとして導入を進めることができました。

導入効果

濱武様:
IP-KVMは、構成がシンプルでわかりやすく、設置の際にも複雑な設定をすることなく、繋ぐだけで直感的な操作が可能です。そのため現場でも扱いやすいシステムです。現場に行かずに遠隔からでも、現場の状況をリアルタイムで把握でき、実際に遠隔操作を行った際もほとんど遅延を感じることなく操作できることが印象的でした。万が一トラブルが発生した場合でも、安価かつ汎用品のため、新しいものをすぐに購入できる点も安心できました。さらに、デベロッパー側では建物間のネットワークがすでに整備されているケースが多いため、そのネットワークにIP-KVMを組み込むだけで遠隔監視環境を構築できる点も導入のしやすさにつながっています。

ATENへの要望と今後の展開

贄田様:
お客様から、防災センター要員削減のため、防災センターの遠隔監視を導入したいという要望が多く寄せられています。今後は東京都の基準改正に伴い、事例が増えていくことで、国としても遠隔監視の制度整備がさらに進んでいくと考えています。そのため引き続き既存の操作盤が既に入っているお客様に、後付けでIP-KVMを組み込む提案を進めていきたいと考えています。お客様によってインターフェースはD-sub、DVI、DisplayPortなど様々ですが、ATENにはそれぞれに対応する製品が揃っているため、柔軟に対応できる点も大きな安心材料となっています。

ホーチキ株式会社の担当者2名の写真

ホーチキ株式会社
東京支店 施工管理部 施工技術課 課長 贄田康宏様(左)
営業本部 システム技術部 システム技術チーム 主任 濱武秀光様(右)

※本ページ内の記事・画像は、2026年3月5日に行った取材を元に作成しています。

お問い合わせ

お客様へのご案内

  • 弊社のメルマガを「配信停止」に設定されている方は、自動返信メールが届かない場 合がございます。
  • @gmail等のフリーメールのアドレスでのお問い合わせは、自動返信のメールが届かな いことがありますが、その場合も弊社宛にお問い合わせのメールは届いていることがほ とんどです。弊社営業日で24時間以内にはご連絡をさせていただきますので、お待ちくだ さい。
  • お問い合わせ送信後、弊社営業日で24時間以内に返信メールがない場合は、大変お手 数ですが、sales@atenjapan.jpにお問い合わ せください。