HDBaseT™ 2.0によるKVMエクステンダーの進化
設置業者とインテグレーターの数が増えたことから、KVMエクステンダーを必要とする商用のAV meets ITの環境においてHDBaseT™ テクノロジー、その中でも特に、距離とUSB延長のメリットが認識されています。それでは、KVM信号の延長にはどんなテクノロジーを選択したらよいかを見ていきましょう。
2010年に初めて導入されたHDBaseT™ は、4K超高精細 (UHD) 信号を送信するためのシンプルでコスト効率の高いソリューションを提供する5Playの基礎を実装することにより、急速に AV Meets IT 市場において世界的に信頼性の高い接続規格になりました。 このテクノロジーは、オーディオ、電源、ホーム ネットワーキング、イーサネット、USB、制御信号を1本のCat6/6aまたはファイバーケーブルで接続します。これらの機能により、HDBaseT™ はKVMエクステンダーアプリケーションに最適な選択肢となりました。その後、2013年にHDBaseT™ 2.0がリリースされましたが、このフォーマットはマルチメディア・ホーム接続ソリューションを可能にすることでエンドユーザーにとってさらにアクセスしやすいものとなりました。これと同時に、専門家に対するHDBaseT™ の取り組みが再認識され、AV Meets IT領域におけるさまざまな商用アプリケーションに大きなメリットがもたらされました。HDBaseT™ を導入した場合、KVMエクステンダーを使用するアプリケーションに関してこの規格を非常に有益にする重要な鍵になるのが、「USB互換性」と「長距離延長」といった2つの要素です。HDBaseT™ 5Playテクノロジーには、関連するメリットがいくつもありますが、これらは特にKVM延長アプリケーションに有用です。具体的な利点は次のとおりです:
- 配線がシンプル - HDBaseT™ の延長テクノロジーにより、トランスミッターおよびレシーバーのユニット接続をCat6/6aケーブル1本で実現
- 柔軟性に優れた制御 - CEC、RS-232C、イーサネット、IR、USB 2.0といった複数の制御信号を提供
- 長距離伝送 - 非圧縮のビデオおよびオーディオをCat6/6aケーブル1本で最大100~150m延長
- アンチジャミング設計 - HDBaseT™ アンチジャミング・テクノロジーによって高品質ビデオ伝送時における信号干渉を抑制
- Ultra HDと高品質オーディオ - フルHD、3D、4K×2K、Dolby True HDおよびDTS HD Master Audioをサポート
AV Meets ITアプリケーションに対するHDBaseT™ 2.0の主な改善点
HDBaseT™ ネットワークプロトコルを指定し、すべてのOSIレイヤーにわたって必要なアダプテーションを定義することにより、HDBaseT™ 2.0仕様は相互運用性を高め、高スループットのAV Meets ITアプリケーション向けに最適化されたサービスの提供を可能にしました。このテクノロジーの新しい拡張には、マルチポイント・ツー・マルチポイント・テクノロジーとしての延長、マルチストリームの追加サポート、そして、マルチディスプレイ環境におけるデイジーチェーン構成の追加サポートが含まれていました。仕様2.0には新しい伝送媒体として光ファイバーも追加されました。おそらく、HDBaseT™ 2.0のリリースによるAV Meet ITアプリケーションの最も大きなメリットは、127Mbpsのアクティブビットレートの高速USBチャネルを介してネイティブUSB 2.0サポートが組み込まれたことでした。これは、ストレージデバイスやカメラだけでなく、長距離タッチパネルやキーボード・ビデオ・マウス(KVM)機能の需要を満たしています。また、この新しい仕様には、Ultra HDオーディオとビデオ(@4K)の低レイテンシー伝送のパフォーマンスを向上させる機能も追加されています。
HDBaseT™ 2.0 とATEN KVMエクステンダー
ATENはなぜHDBaseT™ 2.0が幅広いアプリケーションとしてKVMエクステンダーに最適だと考えるのでしょうか。これを理解するには、KVMエクステンダーの目的にあります。KVMエクステンダーは、他の場所にあるコンピューターシステムに対して、Cat 6/6aケーブル経由でリモートアクセスを実現することです。これに加え、KVMスイッチと併用した場合は、複数のリモートコンピューターを1つの周辺機器設定で制御する機能を提供します。このように、KVMエクステンダーは従来のインターフェースベースのケーブル(HDMIなど)の帯域幅制限を克服するために重要な役割を果たすだけでなく、プロトコル自体(USBなど)の距離制限を解消するのにも役立ちます。さらに、KVMエクステンダーとPCを別々の場所にセットアップして、ファンやハードドライブのノイズを回避したり、コンピューターを工場や産業エリアなどの厳しい環境から遠ざけたりすることで、ワークスペースの効率化をさせることができます。ATEN製品がHDBaseT™ 2.0をサポートすることは、KVMエクステンダーを従来の方法で使用可能かつ、さまざまなAV Meet ITアプリケーションでの活用方法も広がることを意味します。RS-232C、IR、イーサネット、およびUSB 2.0が有効になるHDBaseT™ を採用することにより、業務用AVベンダーは機器が離れた場所にある場合、独自の制御を使用できるようになります。さらに、HDBaseT™ 2.0には、このようなメリットもあります:
- データ診断が組み込まれたデジタルサイネージを構築可能
- USB信号を最大100~150m伝送 - 制御、バルク、割り込み、およびアイソクロナス転送をサポート
- 自動化コマンドをリモートディスプレイに送信可能
- 高画質映像伝送時の信号干渉に対する耐性を向上
The ATEN HDBaseT™ 2.0 + USB の強み
HDBaseT™ アライアンスの長年のメンバーであるATENは、HDBaseT™ の認定を受けた30人以上のHDBaseT™ トレーナーが在籍し、ビデオマトリックススイッチャーや高精細ビデオ/KVMエクステンダー、分配器など、HDBaseT認定を受けた20以上のプロフェッショナルAVソリューションを提供しています。ATENは、HDBaseT™ アライアンスのInstaller Zoneに専用ページが設けられていることに加えて、IT管理とKVM制御において40年間培ってきた知識や経験が評価され、AVとIT技術の融合に役立つメンバーにも選ばれています。こういった強みを活かして、顧客とソリューションパートナーの双方に対して、時代を先取りできるソリューションを提案していきます。
これらの部分は、ATENソリューションに次の強みがあることを意味します:
- 非圧縮信号を低遅延で延長 - 最大150mのロングリーチモードをサポート
- 各種インターフェースをサポート - 互換性が高く、HDBaseT 2.0 KVMエクステンダーソリューション(DVIデュアルディスプレイHDBaseT™ 2.0 KVMエクステンダーや、DisplayPort、HDMI、デュアルディスプレイDVI、DVIなどの各種モデル)で多岐にわたるアプリケーションのニーズに対応
- 組み合わせて使用できる高い互換性 - ATEN KVMエクステンダーシリーズを組み合わせて使用可能。KVM信号の延長にとどまらずIOコンバーターとしても使用可能
- PCの遠隔起動機能 - ボタンを押すだけで、PCをスタンバイモードから遠隔起動
- 入念な互換テストで認定されたHDBaseT™ - キーボード・マウス、タッチパネル、USBストレージ、カメラ、スピーカーなど、各USB周辺機器を使用して、デバイスを互換接続。
- 信頼性と安定性の強化 - 製品は50000時間のバーンインテストと1000回の電源ON/OFF試験に合格済み
HDBaseT™ 2.0で強化されたATENソリューションが、従来のKVMエクステンダーの機能よりも優れた結果となった2つの事例を紹介します。
クリティカルケア - MRI診断
とある病院では、がんや脳の病気に対する先進的な治療法の開発一環として、最新のMRIガイド放射線療法を実施しています。この病院では、重要な医療ヘルスケア・アプリケーションの高い需要を満たすべく、高品質かつ高精細な映像が提供できる信頼性に優れたMRI延長ソリューションを必要としていました。
ATEN USB DisplayPort HDBaseT™ 2.0 KVMエクステンダーCE920を採用することにより、MRI装置に低遅延による映像伝送でアクセス・操作できるだけでなく、画素対画素品質の非圧縮ビデオを100m以上離れたオペレーターの部屋に配信し、リアルタイム診断に活用することもできるようになりました。セットアップするケーブルは1本だけで設置可能なのもポイントの一つです。
小売 - セルフサービス・キオスクおよびデジタルサイネージ
とある多国籍レストラン・チェーンは、関連業務の効率化、顧客の待ち時間短縮、および全体的な店舗利用形態の改善により、サービス全般と顧客満足度を向上させたいと考えていました。この要件には、注文と支払いプロセスを自動化するセルフサービス・キオスクの設置と、双方向広告と注文通知の機能を備えたデジタルサイネージ・ソリューションの統合が含まれていました。
USB HDMI BaseT™ 2.0 KVMエクステンダーはタッチ決済インターフェースをサポートしているため、安全な部屋に設置されたコンピューターに対する信号延長と、現場におけるセルフサービス・キオスクの柔軟な配置を同時に実現します。デジタルサイネージ・システムと統合することで、店内の複数の場所にインタラクティブなコンテンツを配信できるようになりました。さらに、ATEN独自のLockPro設計を使ってHDMI接続を固定することで、ケーブルの脱落を防ぎ、システムの安全性と安定性を高めることができました。
「ATEN KVMエクステンダー」と「HDBaseT™ 2.0」の絶妙な組み合わせ
たとえば、コンソールから離れた場所にあるコンピューターシステムへのリモートアクセス、ディスプレイやデバイスに対する自動化コマンドのリモート送信、あるいは、インタラクティブなデジタルサイネージ・システムでコンピューターと自動QSRディスプレイ間における4Kビデオ・ステレオオーディオ・USB KVM機能や診断データの送信といったように、信号の延長が求められるケースはさまざまです。どのようなケースでも、ATENはHDBaseT 2.0ソリューションを利用し、皆様のご要望を最適な方法で提案致します。
ATEN HDBaseT 2.0 KVMエクステンダーおよびその他のHDBaseT製品の詳細については、以下を参照してください:
1) ATEN HDBaseT™ KVMエクステンダー: https://www.aten.com/jp/ja/products/kvm/kvmエクステンダー/?f4033[]=1
2) ATEN HDbaseT™ ソリューションの詳細: https://www.aten.com/jp/ja/product-landing-page/hdbaset/products/
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ATENについて
1979年に設立されたATEN International Co.,Ltd. (TWSE:6277)は、KVMとAV/ITのコネクティビティーおよびマネージメントソリューションのリーディングカンパニーです。ATEN製品は、KVM・プロフェッショナルAV・SOHO・インテリジェント電源ソリューションを統合して提供し、企業・政府・教育・医療・製造・放送・メディア・交通環境におけるAV/IT機器の接続・管理・最適化を行います。ATENは650以上の国際特許を発行し、革新的なソリューションの絶え間ない流れを生み出し、世界中で利用可能な製品の包括的なポートフォリオを可能にするグローバルR&Dチームとなりました。
台湾に本社を置くATEN International Co.,Ltd.は、中国、日本、韓国、ベルギー、オーストラリア、米国、英国、トルコ、ポーランド、インド、ルーマニア、南アフリカ、メキシコ、およびインドネシアに、台湾、中国、中国のR&Dセンターを含めて拡大しています。